お蔵出し バカルト紀行 まぼろし編

諸事情により単行本に収録できなかった、(詳しい事情は単行本の「あとがき対談」参照のこと)幻の一編をこっそりアップしちゃいました。
くれぐれも掲載施設に出向いてチクらないようご注意ください。

一般人だって歯が命!歯ごたえアリのミニ博物館。

頭を使わない日はあっても歯を使わない日はない。ちょうど今月は64(ムシ)歯の日もある、ってなワケでやってきました●の博物館。

館内はパネル展示が中心で見るからに地味だが、自分で口内をモニタリングできる超小型カメラ、拷問の道具みたいに鈍い光を放ちながら並ぶ切削用ドリル、元グランパスのピクシーや元中日の速球王・与田の歯型など、人によってはフェチ心をこちょこちょくすぐられるアイテムがそろっている。

歯にまつわるウンチクもあれこれ仕込める。入れ歯は紀元前2500年前の古代エジプト時代からあったとか、18世紀頃まで虫歯の痛みは歯虫という虫のせいだと信じられてたとか、縄文時代の首長は歯に切れ目を入れ三又のフォーク状にしてたとか、日本の中世の入れ歯は仏像彫刻の技術を応用してたから出来がよかったとか、江戸時代の浅草には楊枝専門店が200軒もあって客寄せの看板娘までいたとか、巨人軍の原辰徳は親知らずを抜いた痛みで試合を欠場したことがあるとか、ヘビ使い芸人・ショパン猪狩さんは入れ歯を何本も作ってもらうのがめんどうで横長一枚板の入れ歯を上下に入れていたとか、わざと歯を抜いている風俗嬢のお姉さんに××してもらうとえらい気持ちがエエのだとか…(後半一部他から仕入れたネタもあり)。(※1)

これで歯に興味を持ち虫歯予防に努めてくれたら。そんな温か〜い思いが伝わってくるが、昔の歯科医院を再現したセットは逆効果かも。患者のマネキンの苦痛にゆがみまくる顔はあのチュイィ〜ンという音と痛み、恐怖を脳裏によみがえらせるには効果的すぎ。痛そうだよ〜イヤだよ〜(泣)。(※2)

(※1)他から仕入れたネタをもうひとつ。宇宙では虫歯菌が増殖して虫歯が悪化するとのこと。宇宙飛行士も歯が命、なのだ。
(※2)Googleで「歯医者」「拷問」で検索したら1940件もヒットした。「拷問歯科医潜入24時間」というWebコラムが面白かった、というか痛そうだった。